導入
本わさびは、すりおろす道具や方法によって香りや辛味が大きく変わります。
寿司職人が使う代表的なおろし道具は 鮫皮・銅おろし金・鋼鮫 の3種類。
さらに「砂糖を加えると辛くなる」「怒っておろすと辛くなる」といった裏話にも、実は科学的な理由が隠されています。

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鮫皮おろし
• サメ皮を板に張り付けた伝統的なおろし道具。
• わさびの細胞を細かく壊すことで、香り成分と甘みをしっかり引き出す。
• きめ細かいペースト状になるため、寿司に添えるのに最適。
• デメリットは乾燥やカビに弱く、手入れが必要なこと。

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銅おろし金
• 銅に錫を引いた金属おろし。
• 鮫皮よりもやや粗く、辛味が立ちやすい。
• 短時間で効率よくおろせるため、業務用で重宝される。
• 丈夫で長持ちするのもメリット。

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鋼鮫(はがねざめ)
• 鋼に細かい凹凸をつけ、鮫皮の質感を再現した新しいタイプ。
• 鮫皮のきめ細かさ × 金属の強さを両立。
• 鮫皮より手入れが簡単で、安定した仕上がりになる。
• 最近はプロの現場でも採用が増えている。

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味の違いまとめ
• 鮫皮:香り・甘みが出やすい
• 銅:辛味が強く出やすい
• 鋼鮫:バランス型で扱いやすい
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豆知識①:砂糖で辛味が増す理由
一見不思議ですが、わさびに砂糖を加えると辛さが強まると言われています。
これは、わさびに含まれる グルコシノレート という成分が、細胞が壊れるときに酵素(ミロシナーゼ)によって分解され、アリルイソチオシアネートという辛味成分に変化する仕組みが関係しています。
• 砂糖は浸透圧の作用で細胞を壊れやすくし、酵素反応を促進。
• その結果、辛味成分がより多く生成される。
つまり「甘さ」で隠れるのではなく、逆に辛さを引き出すブースターとして働くのです。
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豆知識②:怒っておろすと辛くなる?
「怒っておろすと辛くなる」というのは寿司職人の世界で昔から言われる言い伝えです。
実際には迷信ではなく、力を入れすぎたおろし方が関係しています。
• 力任せにゴリゴリおろす → 細胞が荒く壊れる → 酵素反応が一気に進み辛味が立つ。
• 優しく丁寧におろす → 細胞が細かく壊れ、香りや甘みの成分が引き出される。
つまり「怒っておろす=力いっぱいおろす → 辛くなる」という現象には、辛味成分の生成プロセスという科学的な裏付けがあるのです。

現場での使い分け
• 握り寿司に添える → 鮫皮で香り重視。
• 薬味として大量に使う → 銅で効率よく。
• バランスと扱いやすさを取る → 鋼鮫。
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まとめ
わさびはおろし方ひとつで、香り・甘み・辛味が大きく変わります。
• 鮫皮:香りと甘みを引き出す
• 銅:辛味を際立たせる
• 鋼鮫:バランスと扱いやすさ
さらに「砂糖を加えると辛味アップ」「怒っておろすと辛くなる」といった裏話にも、実は科学的な背景があります。
家庭でも道具を選べば、本わさびの魅力を最大限に引き出すことができるでしょう。
👉 鮫皮・銅・鋼鮫、それぞれの小型タイプは通販でも入手可能。本わさびと一緒に取り寄せれば、自宅で寿司屋さながらの体験が楽しめます。

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